この記事でわかること
- 2026年度(令和8年度)の健康保険料率がどう変わったか
- 全国平均が13年ぶりに10%を割って9.9%になった話
- あなたのお住まいの県は上がった?下がった?(都道府県別の見方)
- 40歳以上にかかる介護保険料率は逆に微増した点
- 料率改定で手取りがいくら変わるかの計算方法
はじめに:給与明細の「健康保険料」、2026年から少し変わります
社会保険料の負担増ニュースが続くなか、実は2026年度の健康保険料率は多くの県で「下がった」のをご存じでしょうか。協会けんぽ(中小企業の従業員などが入る健康保険)の全国平均が、2013年度からずっと続いていた10.0%を初めて割り込み、9.9%になりました。
我が家は夫婦で共働き。毎月の給与明細はマネーフォワードでざっくり管理しているのですが、「健康保険料って結局どう決まってるの?」「うちの県は上がったの下がったの?」が気になって、全国健康保険協会(協会けんぽ)の公式資料で確認してみました。この記事は公式の数字だけでまとめています。

負担増の話ばかりだと思いきや、健康保険料の本体は意外にも値下げ。ただし40歳以上にかかる介護保険料は逆に少し上がっていて、しかも県によって結論が違うんです。ここ、ちゃんと見ておく価値ありです。
2026年度の協会けんぽ料率:全国平均9.9%(13年ぶりに10%割れ)
令和8年度(2026年度)の協会けんぽの健康保険料率は、全国平均で9.90%。前年度の10.00%から0.1ポイント引き下げられました。協会けんぽが2013年度(平成25年度)以降ずっと維持してきた10.0%を、はじめて下回ったことになります。
適用は2026年3月分(4月納付分)から。給与天引きでいうと、おおむね2026年4月に支払われる給料あたりから反映されます。
| 項目 | 令和7年度 | 令和8年度(2026) |
|---|---|---|
| 健康保険料率(全国平均) | 10.00% | 9.90%(▼0.1pt) |
| 介護保険料率(40〜64歳・全国一律) | 1.59% | 1.62%(▲0.03pt) |
なお健康保険料は会社と本人で半分ずつ負担(労使折半)します。たとえば料率9.90%なら、自分の給料から引かれるのはその半分の約4.95%です。介護保険料1.62%も折半なので本人分は約0.81%になります。なお、扶養内で働く場合は年収の壁(106万・130万円など)を超えると自分で社会保険料を払うことになるので、パートの方はそちらも合わせて確認しておくと安心です。
あなたの県は上がった?下がった?都道府県別の料率
協会けんぽの料率は都道府県ごとに違います。医療費の使われ方が地域で異なるためです。令和8年度は全体的に引き下げ基調で、東京・大阪・愛知・福岡などの主要県は軒並み下がりました。主な県の数字はこちらです。
| 都道府県 | 令和7年度 | 令和8年度 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 東京 | 9.91% | 9.85% | ▼下がった |
| 神奈川 | 9.92% | 9.92% | →据え置き |
| 愛知 | 10.03% | 9.93% | ▼下がった |
| 大阪 | 10.24% | 10.13% | ▼下がった |
| 福岡 | 10.31% | 10.11% | ▼下がった |
そして全国で見ると、料率が一番高い県と低い県には次のような差があります。
- 最も高い県:佐賀県 10.55%(前年度10.78%から下がったものの依然全国最高)
- 最も低い県:新潟県 9.21%
- その差は1.34ポイント。同じ給料でも住む県で保険料が変わります

自分の県の正確な数字は、協会けんぽの「都道府県別の保険料率」ページで確認できます。給与明細の健康保険料がいつもと変わっていたら、たいていこの改定が理由です。まずは自分の県がどっちに動いたかチェックしてみてくださいね。
注意:40歳以上は介護保険料が「微増」
健康保険料の本体は下がった県が多い一方で、40〜64歳にかかる介護保険料率は1.59%→1.62%へ引き上げられました(全国一律)。40歳以上の方は「健康保険料率+介護保険料率1.62%」が合算でかかります。
つまり、お住まいの県の健康保険料がどれだけ下がったかと、介護保険料の微増分を差し引きして、最終的に手取りが増えるか減るかが決まります。
ざっくり計算してみると
標準報酬月額(毎月の給料を等級に当てはめた額)を仮に41万円とした場合の本人負担の目安です。
- 介護保険料の増加:41万円 × 0.03% × 1/2 = 月およそ62円増(年約740円)
- 健保が下がった県の例(東京:▼0.06pt):41万円 × 0.06% × 1/2 = 月およそ123円減 → 介護の微増と相殺して差し引き月約60円のプラス(手取り増)
- 健保が据え置きの県(神奈川など):健保は変わらず、介護分だけ月数十円のマイナス
金額としては月数十円〜百円ていどですが、共働きなら夫婦それぞれにかかります。我が家のように手取りをアプリで見える化していると、こういう小さな変化にもすぐ気づけます。給与の振り分けや口座管理を自動化する仕組みは住信SBIネット銀行の目的別口座の活用法でも紹介しているので、家計の見える化が気になる方はどうぞ。正確な額はご自身の標準報酬月額(給与明細の健康保険料を倍にするとおおよその目安になります)で計算してみてください。
そもそも、なぜ毎年料率が変わるの?
協会けんぽは単年度の収支均衡を基本に、毎年度の料率を決めています。収入(保険料)と支出(医療給付費+高齢者医療への支援金・納付金など)のバランスで決まる仕組みです。
支出を押し上げるのは、医療費の伸びや高齢化に伴う高齢者医療制度への拠出金の増加。一方で令和8年度に引き下げができた背景には、賃金上昇による保険料収入の増加や、準備金(積立金)に余裕が出たことがあるとされています。
ちなみに、健康保険料率の内訳は「特定保険料率(全国一律3.24%・高齢者医療への支援などに充当)+基本保険料率(県ごとに異なる)」という構成になっています。さらに2026年4月からは、これとは別に子ども・子育て支援金(0.23%)も医療保険料に上乗せして徴収が始まりました。こちらは負担が「増える」改正なので、合わせて押さえておくと安心です。

健康保険料は下がっても、こっちで少し取られる、というのが2026年のリアル。子ども・子育て支援金がいくら引かれるかは こちらの記事 で年収別にまとめています。
公的保険は意外と手厚い:不安を煽られすぎないで
保険料の話を聞くと「こんなに払ってるのに」と感じるかもしれません。でもその保険料で支えられている公的医療保険には、高額療養費制度のように、医療費が高額になっても自己負担に上限を設けてくれる強い味方があります。現場で働いていると「この制度を知らずに民間保険に入りすぎている人が多いな」と感じることがよくあります。
料率の増減に一喜一憂するより、まずは自分が払っている保険料で何がカバーされているかを知っておくこと。それが、私がいつも大事にしているお金との向き合い方です。高額療養費制度の中身や「民間医療保険は本当に必要か」を掘り下げた記事もあるので、保険料の使い道が気になった方はあわせてどうぞ。
まとめ
- 令和8年度の協会けんぽ健康保険料率は全国平均9.90%。13年ぶりに10%を割って引き下げ
- 適用は2026年3月分(4月納付分)から
- 料率は都道府県ごとに違い、最高は佐賀10.55%・最低は新潟9.21%(差1.34pt)
- 東京・大阪・愛知・福岡など主要県は引き下げ、神奈川などは据え置き
- ただし40歳以上の介護保険料率は1.59%→1.62%へ微増
- 健保の下げ幅と介護の微増を差し引きして、手取りが増えるか減るかは県しだい
- 料率に一喜一憂せず、公的制度の中身を知っておくのが一番
※この記事は、全国健康保険協会(協会けんぽ)・厚生労働省・こども家庭庁の公開資料をもとに作成しています。料率は都道府県・年度で変わるため、最新の正確な数字は協会けんぽ公式サイトでご確認ください。





