コツコツ節約して、NISAで積み立てて、配当を増やして……。私たち夫婦もサイドFIREを目指して毎日コツコツやっています。でも、その大事なお金が「詐欺」で一瞬にして消えることがあると考えたら、ゾッとしませんか。
リベ大でいう「お金にまつわる5つの力」のひとつに「守る力」があります。どれだけ貯めても・増やしても、守れなければ意味がない。とくに狙われやすいのが、私たちの親世代(高齢の親・義両親)です。
そこで我が家では、義両親・実の両親・親戚のおじおばまで声をかけて、みんなのスマホに無料の迷惑電話ブロックアプリを入れて回りました。この記事では、実際に入れた2つのアプリと、iPhone・Androidそれぞれの入れ方を、公式アプリの画面つきで、そのまま真似できるようにまとめます。

「うちの親は大丈夫」って、みんな言うんです。でも被害に遭う方の6割以上が65歳以上。他人事じゃないなと思って、私は親戚中のスマホを設定して回りました。
せっかく貯めても「詐欺」で一瞬で消える|だから“守る力”
2024年の特殊詐欺被害は約717億円で過去最悪
まずは現実を数字で。警察庁のまとめによると、2024年(令和6年)の特殊詐欺の被害額は約717億6,000万円で、統計を取り始めて以来の過去最悪。前年から約6割も増えています。1日あたり約2億円が、だまし取られている計算です。
- 年間被害額 約717億6,000万円(過去最悪・前年比+58.6%)
- 認知件数 2万1,043件/1件あたり平均 約349万円
- 被害者の 65.4%が65歳以上(親・祖父母の世代)
- 「ニセ警察官」をかたる手口が前年の 4倍以上に急増
被害者の65%が65歳以上|狙われるのは親世代
被害に遭った方のうち65.4%が65歳以上の高齢者。しかも最近は「あなたの口座が犯罪に使われている」とニセの警察官をかたる電話が前年の4倍以上に急増しています。冷静な人でも、警察を名乗る電話には身構えてしまうものです。
資産形成に「守る力」が欠けると全部が台無しに
私たちがサイドFIREのために積み上げてきた資産も、親が老後のために貯めてきたお金も、一度だまし取られたら取り返すのは本当に難しい。「増やす」より先に「守る」——これは家族全員でやるべきことだと考えています。
我が家がやったこと|親戚中の高齢者のスマホにアプリを入れて回った
とはいえ、高齢の親に「詐欺に気をつけてね」と口で言うだけでは、正直あまり意味がありませんでした。人は「自分だけは大丈夫」と思ってしまうからです。
そこで我が家では、まず知らない番号からの電話に「これは危ないですよ」と自動で教えてくれる仕組みをスマホに入れることにしました。義両親、私の両親、そして近所に住む親戚のおじ・おばまで、休みの日に一軒ずつ回って設定してきました。
- アプリを入れる(無料)
- 着信のときに「迷惑電話の可能性」と画面に出るよう設定する
- 「知らない番号+この赤い警告が出たら、出ずに私に電話して」と一言だけ約束してもらう
やってみると、設定自体は1台10分ほど。難しくありません。大事なのは「入れて終わり」ではなく、家族で約束をセットにすることだと感じました(ここは記事の最後にもう一度書きます)。

親のスマホって、意外と何も対策してないんですよね。私が設定したあと、実際に「サポート詐欺かも」って警告が出た番号があって、入れておいてよかったと心から思いました。
入れたのはこの2つ|無料の迷惑電話ブロックアプリ
迷惑電話ブロックアプリはたくさんありますが、我が家が実際に使っているのは次の2つです。どちらも完全無料で、iPhone・Android両方に対応しています。
① 電話帳ナビ|情報量が国内最大級の定番アプリ

電話帳ナビは、月間3,000万人以上が使う国内最大級の電話番号情報アプリです。スマホに登録のない番号でも、着信画面に「〇〇不動産」「迷惑電話の疑い」などと相手先を表示してくれます。過去10年で310万件を超える詐欺グループからの着信をブロックしてきた実績があります。フィッシング詐欺を防ぐSMS(ショートメール)フィルタ機能も無料です。


電話帳ナビのアプリ画面(出典:App Store)
- メリット:情報量がとにかく豊富。企業・公共機関の番号もよく表示される
- メリット:迷惑メール(SMS)の自動振り分けも無料
- 正直な注意点:無料版は広告表示あり・アプリ内課金あり(有料版で広告オフにできます)
ダウンロードはこちらの公式ストアから(どちらも無料)。
② 詐欺対策 by NTTタウンページ|警察庁推奨のNTT公式アプリ

もうひとつが、詐欺対策 by NTTタウンページ。2026年3月にリリースされたばかりのアプリで、NTTタウンページと迷惑電話対策のトビラシステムズが共同開発しました。最大の特徴は、警察庁の推奨制度で「認定」を受けていること。警察庁などが把握した特殊詐欺の番号情報をもとに、あやしい着信を自動で警告・遮断してくれます。


左:警察庁推奨マーク入りのホーム画面/右:要注意番号を自動でブロックする警告(出典:Google Play)
- メリット:警察庁推奨制度の認定アプリという安心感(NTTグループ提供)
- メリット:完全無料。約500万件の事業者情報から番号の相手先も表示
- メリット:警察庁の防犯情報(最新の詐欺手口)をアプリ内でお知らせしてくれる
- 注意点:iPhoneはOSの仕様上、一部機能が制限されます(警告表示が中心)
ダウンロードはこちらから(無料)。
どっちを入れればいい?|親世代は「警察庁推奨のNTT」から
「2つも入れないといけないの?」と思いますよね。結論、まずはどちらか1つでOKです。我が家の使い分けはこんな感じです。
- 高齢の親のスマホ:まず「詐欺対策 by NTTタウンページ」。警察庁推奨・NTT提供で、家族としても安心して勧められます
- 自分たち現役世代:情報量重視で「電話帳ナビ」。仕事の知らない番号の判別にも便利

親には「NTTが出してる、警察庁のお墨付きのアプリだよ」と言うと、すんなり入れさせてくれました。“公式”“警察”という言葉は、親世代には効きます。
アプリの入れ方・設定方法|iPhone・Android
ここからは実際の入れ方です。アプリを入れるだけでは警告が出ないことがあるので、最後の「設定オン」まで必ずやってください。ここが一番のつまずきポイントです。
iPhoneの場合(App Store→着信IDをオンにする)
- ホーム画面の「App Store」を開く
- 下の「検索」で、アプリ名(例:電話帳ナビ)を入力して検索
- 「入手」→顔認証/パスコードでダウンロード(無料)
- 一度アプリを開いて、画面の案内どおりに初期設定を進める
- ここが重要:iPhoneの「設定」アプリ →「アプリ」(または「電話」)→「着信拒否と着信ID」を開き、入れたアプリのスイッチをオンにする
この「着信拒否と着信ID」をオンにしないと、迷惑電話の警告が着信画面に表示されません。必ず最後まで設定しましょう。
Androidの場合(Google Play→通話アプリに設定)
- ホーム画面の「Google Play ストア」を開く
- 上の検索窓にアプリ名(例:詐欺対策)を入力して検索
- 「インストール」をタップ(無料)
- アプリを開き、「電話の発着信」「連絡先」などのアクセス許可をすべて許可する
- 画面の案内で「発信者番号/迷惑電話アプリに設定」を求められたら、そのアプリを選ぶ
Androidは機種によって画面の言葉が少し違いますが、「許可」を全部オンにするのがコツです。ここを許可しないと番号の判定ができません。設定が済むと、あやしい番号からの着信時に、上で紹介した画面のように「要注意番号の可能性あり」と赤く警告が出ます。

設定が済むと、あやしい番号にこう警告が出ます(詐欺対策 by NTTタウンページ/出典:Google Play)
高齢の親のスマホに入れるときのコツ
- 親のApple ID/Googleアカウントのパスワードが必要になることがある。事前に確認しておく
- アイコンをホーム画面の1ページ目に置いてあげると「入れたこと」を忘れにくい
- 設定後に自分のスマホから電話をかけて、着信画面の見え方を一緒に確認する
- 「赤い警告が出たら出ないで、私に電話して」と、合言葉をひとつだけ決める

全部やっても1台15分くらいです。難しく考えず、まずは実家に帰ったときに親のスマホでやってみるのがおすすめ。「ありがとう」って言われますよ。
でも、アプリだけでは詐欺は防げない|本当の対策は“家族”
ここまでアプリの話をしておいて何ですが、正直に書きます。アプリは万能ではありません。
アプリが警告しない番号から来ることもある
詐欺グループは次々と新しい電話番号を使います。まだ誰も報告していない番号なら、アプリも「危険」と判定できません。最近はSNSやメールから始まる投資詐欺・ロマンス詐欺も急増していて、そもそも電話ですらないケースも多いのです。
大事なのは「お金の話が出たら、まず疑う」クセ
だから、家族みんなで共有したいのはたった1つのルールです。
- 電話・メール・SNSで「お金」「口座」「還付金」「カード」「暗証番号」の話が出たら、その時点でいったん疑う
- 「今すぐ」「あなただけ」「誰にも言わないで」と急かされたら、ほぼ詐欺だと思っていい
そして「家族にすぐ相談できる」関係をつくる
詐欺の一番の防波堤は、実はアプリでも警察でもなく、「あれ、これ大丈夫かな?」とすぐ家族に電話できることだと思っています。ひとりで抱え込んで、その場で判断させないこと。
私が親戚中のスマホを設定して回った本当の理由は、アプリを入れたかったからではありません。「困ったらいつでも私に聞いてね」と顔を見て伝える口実がほしかったからです。アプリはあくまできっかけ。日ごろから小さなことでも相談し合える——そんな家族関係こそが、貯めたお金と、家族そのものを守ってくれるのだと思います。

お金を守るって、結局は「人を大事にする」ことなんだなと。アプリを入れた日に親と少し長く話せたこと、それ自体が一番の詐欺対策だった気がしています。
まとめ|「守る力」は家族みんなで
- 2024年の特殊詐欺被害は過去最悪の約717億円。被害者の6割以上が65歳以上(警察庁)
- まずは無料アプリで着信に「警告」を出す。親世代は警察庁推奨の「詐欺対策 by NTTタウンページ」から
- 情報量重視なら「電話帳ナビ」。どちらも無料・iPhone/Android対応
- アプリは「着信IDをオン」「許可を全部オン」まで設定して初めて効く
- 本当の対策は「お金の話が出たら疑う」+「すぐ家族に相談できる関係」
この週末、実家に帰ったら親のスマホにひとつ入れてあげる。それだけで、コツコツ貯めた大切なお金を守る力がぐっと上がります。ぜひやってみてください。
※本記事のアプリ画面・アイコンは、各アプリの公式ストア(App Store/Google Play)の掲載画像です。被害統計は警察庁の公表資料によります。





