「食料品の消費税が8%から1%になる」。2026年7月30日に政府が表明したこのニュース、スーパーで毎週レシートとにらめっこしている身としては、聞き流せませんでした。
この記事では、いま分かっている中身(2027年4月から2年間・外食とお酒は対象外)と、総務省の家計調査を使った「我が家はいくら浮くのか」の計算方法、そして見落としがちな「2年後に戻る」という落とし穴まで、整理していきます。
先にお伝えしておくと、この内容は2026年8月5日に閣議決定されました。ただし法律の改正はこれから秋の臨時国会で審議されるので、まだ確定ではありません。その前提で読んでいただければと思います。

食費は毎月必ず出ていくお金。だからこそ税率が7%も変わるのは大きいです。でも「いつからいつまで」「何が対象」を知らないと、ぬか喜びになりかねません。
結論|スーパーの食料品が1%に。ただし外食とお酒はそのまま
- 2027年4月から2年間(2029年3月末まで)の期間限定の方針
- 対象はいまの軽減税率8%と同じ飲食料品(スーパー・コンビニの食料品、テイクアウト等)
- 外食とお酒は対象外。10%のまま
- 0%ではなく1%なのは、レジなどシステム改修を間に合わせるためと説明されている
- 総務省の家計調査平均で試算すると、月約4,800円・年約5.8万円の負担減
- ただしまだ法律は成立していない(2026年8月5日に閣議決定済み→秋の臨時国会で審議の見通し)
決まっていること・決まっていないこと
2027年4月から2年間、8%→1%
報道によると、2026年7月30日に高市首相が表明した方針はこうです。食料品にかかる消費税率を、2027年4月から2年間、現在の8%から1%に引き下げる。期間限定の措置で、2029年3月末に終わる予定です。
対象になるのは、いまの軽減税率8%が適用されている「飲食料品」と同じ範囲が軸とされています。つまりスーパーやコンビニで買う食料品、テイクアウトのお弁当などが1%になる見込みです。
| 買い方 | いまの税率 | 2027年4月からの方針 |
|---|---|---|
| スーパー・コンビニの食料品 | 8% | 1% |
| テイクアウト・お弁当 | 8% | 1% |
| 外食(店内で食べる) | 10% | 10%のまま |
| お酒 | 10% | 10%のまま |
なぜ0%じゃなくて1%なの?
「どうせなら0%にしてよ」と思いますよね。報道では、1%であれば0%よりも事業者のレジ・システム改修の期間を短くでき、2027年4月からの実施に間に合う、というのが理由として説明されています。
残る1%分は「給付」で戻す方針。ただし全世帯ではありません
閣議決定では、残る1%分についても手当てが示されています。2027年6月以降、所得に応じた給付を先行して導入し、食料品にかかる1%分の範囲内で給付することで「実質ゼロ」にする、という組み立てです。首相の記者会見でも同じ説明がされていました。
ただし報道されている対象は中低所得の現役世帯で、全世帯が受け取れるわけではありません。いくらもらえるのか、申請が要るのか自動で振り込まれるのかといった具体的な中身は、この記事を書いている時点ではまだ決まっていません。
そもそも今回の減税は、2029年4月に本格導入される「給付付き税額控除」までのつなぎという位置づけです。我が家が給付の対象になるかは分かりませんが、少なくとも1%になった食料品の値札そのものは、所得に関係なく全員に効きます。まずはそこを前提に計算しておくのが安全だと思っています。
🔴 まだ確定ではありません
大事なことなので繰り返します。2026年8月5日に閣議決定されましたが、これは政府としての方針が固まった段階です。9月に税制改正の大綱をまとめ、秋の臨時国会に関連する法案を提出する見通しで、国会で法律が成立して、はじめて確定します。内容が変わる可能性もあるので、この記事も動きがあれば更新します。
我が家はいくら浮く? 総務省の実データで計算してみた
平均的な世帯で「月約4,800円・年約5.8万円」
総務省の家計調査(2025年平均)によると、二人以上の世帯の食料への支出は月94,895円。このうち外食が16,563円、お酒(酒類)が3,784円です。外食とお酒は対象外なので、引き算すると1%の対象になりそうな食料品は月約74,500円(税込)になります。
| 項目 | 金額(月) |
|---|---|
| 食料への支出(二人以上の世帯・2025年平均) | 94,895円 |
| うち外食(対象外) | −16,563円 |
| うち酒類(対象外) | −3,784円 |
| 8%→1%の対象になりそうな食料品(税込) | 約74,500円 |
税込74,500円の中身は、本体価格が約69,000円、消費税(8%)が約5,500円です。これが1%になると消費税は約690円。差し引きで月約4,800円、年間で約5.8万円の負担減になります。期間の2年間まるまるなら約11.6万円です。
自分の家の食費で計算する式
もっと簡単に、自分の家に当てはめる式はこれです。
1か月の食費(税込・外食とお酒を除く)× 0.065 ≒ 月に浮く金額
たとえば食べ盛りの子どもがいて食費が月10万円(外食・お酒除く)の家庭なら、10万円×0.065で月約6,500円・年約7.8万円。食費が多い世帯ほど効果が大きい、家計に直接効く減税です。

我が家も子どもが小学生になって食べる量が増えてきたところ。月5,000円前後でも、年間にすれば旅行1回分。ありがたい話です。
「外食も安くなる?」→ たぶん、なりません
外食は税率10%のまま
まず制度として、外食は今回の引き下げの対象外です。店内で食べる料理の税率は10%のまま変わりません。
「仕入れが安くなる分、値下げ」も期待しにくい
「でも飲食店の仕入れ(食材)は1%になるんだから、料理も安くなるのでは?」と思うかもしれません。ここは期待しすぎないほうがいいと私は考えています。
理由は消費税の仕組みにあります。お店が国に納める消費税は、「お客さんから預かった税」から「仕入れで払った税」を引いた額です。仕入れで払う税が8%から1%に減ると、引き算できる分(仕入税額控除)も減るので、お店が納める消費税はむしろ増える方向に働きます。仕入れ値が下がった分がそのまま儲けになるわけではないんですね。人件費や光熱費の上昇も続いているので、外食の値下げにつながる可能性は低いと見ています。
見落としがちな落とし穴3つ
① 2029年4月に「戻る」=実質7%の値上がりが来る
一番の落とし穴はこれだと思っています。2年間の期間限定ということは、2029年4月には8%に戻るということ。その瞬間、家計から見れば食料品が一斉に約7%値上がりするのと同じことが起きます。
浮いた分を生活水準の引き上げに使ってしまうと、2年後に「戻し増税」の痛みだけが残ります。浮いた分は最初からなかったものとして、先取りで貯蓄や投資に回すのが、2年後に慌てない一番の対策です。
我が家は浮いた分をそのままNISAの積立に上乗せするつもりです。これから証券口座を作る方は、ポイントサイト経由で開設すると登録ボーナスがもらえることがあります。私はハピタスを経由しています(ポイント数や条件は変わるので、リンク先で最新の内容をご確認ください)。
② 値札の表示が変わる過渡期は「実質いくら?」に注意
税率が変わる前後は、店頭の税込表示の切り替えが混在しやすい時期です。2019年に8%→10%になったときも、レシートを見て「あれ?」となることがありました。2027年の春は、値札の税込・税抜をいつも以上に確認したほうがよさそうです。
③ 「安くなるから」の買いだめは不要
逆のパターンにも注意です。実施は2027年4月の見込みなので、「その前に買っておこう」という駆け込みは意味がありません(減税前に買うほうが高いままです)。また、実施後も対象は毎日の食料品。保存がきくからと必要以上に買いだめすれば、結局は食品ロスで損をします。いつもどおり必要な分を買うのが一番の節約です。
2027年に退職する我が家にとっては、タイミングのいい追い風
我が家は2027年3月末に夫婦で退職する予定です。偶然ですが、退職した翌月の2027年4月からこの減税が始まる見通しになっています。
退職してすぐの時期は、住民税や国民健康保険の支払いが重くのしかかる一方で、収入は下がります。(この話は退職翌年が一番キツいという記事に書きました)。その一番苦しい時期に食費の税負担が軽くなるのは、我が家にとって素直にありがたい追い風です。
ただし2年後の2029年4月=戻るタイミングも、退職2年目の家計に直撃します。「2年間だけの割引」と最初から織り込んで、退職後の生活費の計画は8%のままの前提で立てておくつもりです。

制度をあてにした家計は、制度が変わると崩れます。「もらえたらラッキー、浮いたら貯める」くらいの距離感がちょうどいいと思っています。
まとめ|浮いた分の「行き先」を先に決めておこう
- 食料品の消費税を2027年4月から2年間、8%→1%にする方針(外食・お酒は10%のまま)
- 2026年8月5日に閣議決定済み。秋の臨時国会での法案審議を経て確定する見通し
- 家計調査の平均で月約4,800円・年約5.8万円。自分の家は「食費×0.065」で概算できる
- 外食の値下げは期待しにくい(仕入税額控除が減るため、お店の納税はむしろ増える方向)
- 2029年4月に8%へ戻る=実質7%の値上がりが来る。浮いた分は先取りで貯蓄・投資へ
- 駆け込み購入・買いだめは不要。いつもどおりが一番の節約
決まったら喜ぶ、戻っても慌てない。そのために「浮いた分の行き先」だけ先に決めておく。続報が出たら、この記事も更新していきます。
※本記事は2026年8月5日時点の情報をもとに作成しています。出典=首相官邸「飲食料品に係る消費税率の引下げ及び給付付き税額控除についての会見」(2026年7月30日)、2026年8月5日の閣議決定に関する報道、総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」。法案は秋の臨時国会で審議される見通しで、内容が変わる可能性があります。





