こんにちは、みっちゃんママです。
我が家は夫婦そろって看護師で、2027年3月末の退職(サイドFIRE)に向けて準備中です。生活の土台にするつもりなのが配当金(2026年7月時点で税引き前・年約78万円)。だからこそ、2026年6月に公布されたある法改正のニュースを見て、正直ドキッとしました。
「株の配当にも、社会保険料をかけます」という方向に、制度が一歩進んだからです。
ネットでは「特定口座が終わる」「NISAも課税される」といった強い言葉も見かけますが、厚生労働省の公式資料を読むと、決まったことと決まっていないことははっきり分かれていました。この記事では、公的資料をもとに事実だけを整理して、2027年に無職になる我が家がいくら影響を受けるのかまで計算しています。
- 2026年6月公布の改正法で「決まったこと」と「決まっていないこと」
- いまのルール:配当は確定申告するかどうかで保険料が変わる
- NISAが対象外である根拠(厚労省資料)
- 我が家の配当を国民健康保険で申告すると、年いくら増えるかの試算
- 今から準備できること4つ
まず結論:2026年6月に「金融所得を保険料に反映する」法律が公布された
2026年(令和8年)5月29日、健康保険法等の一部を改正する法律が成立し、6月5日に公布されました(令和8年法律第31号)。厚生労働省が公表している改正の柱は次の4つです。
- OTC医薬品と代替性が高い薬剤の「一部保険外療養」の創設
- 後期高齢者医療における金融所得の保険料等への勘案
- 出産に係る給付体系の見直し
- 国民健康保険の子どもに係る均等割保険料の軽減拡充
このうち2つめが、投資をしている人にとっていちばん大きな変更です。
決まったこと
- 後期高齢者医療制度(75歳以上)で、確定申告の有無にかかわらず、上場株式の配当等の金融所得を保険料の算定と窓口負担割合の判定に反映する
- 金融機関等がオンラインで法定調書を後期高齢者医療広域連合へ提出する義務を設ける(=国が金融所得を把握する仕組みを作る)
- 非課税のNISAは対象外
- 施行日は公布後5年以内に政令で定める日
決まっていないこと
- 現役世代(国民健康保険・会社の健康保険)の「申告していない金融所得」まで対象を広げること
- NISAの非課税をやめること
- 特定口座という制度そのものをなくすこと
つまり今回決まったのは75歳以上の医療保険の話です。「特定口座が終了する」という話ではありません。ここは公的資料に書かれていない部分なので、私も断定はしません。ただ、後述するように現役世代でも「確定申告をすれば保険料に反映される」のは今のルールですでにそうなっています。ここを知らないと損をするので、順番に説明します。
今のルール:配当は「確定申告するかどうか」で保険料が変わる
まず現状の整理です。証券口座には大きく3種類あります。
特定口座(源泉徴収あり)は確定申告しなくていい
上場株式の配当や売却益には、所得税・住民税あわせて20.315%が課税されます。特定口座(源泉徴収あり)なら証券会社が天引きして納税まで済ませてくれるので、確定申告をしなくても課税関係が完結します。これが「申告不要制度」です。
申告しなければ国民健康保険料の計算に入らない
国民健康保険料は、市町村が把握している前年の所得をもとに決まります。ここが重要なポイントで、申告不要制度を選んだ配当等は市町村が把握できないため、保険料の算定対象になりません。多くの自治体が公式サイトで、この点をわざわざ注意喚起しています。
逆に言うと、確定申告をして配当を申告に含めた瞬間、その配当は国民健康保険料の計算に入ります。配当控除や損益通算、外国税額控除を受けたくて申告したら、税金は戻ったけれど保険料がそれ以上に増えた——ということが起こり得ます。
令和6年度から「所得税は申告、住民税は申告不要」ができなくなった
以前は、所得税では総合課税で申告して配当控除を受けつつ、住民税だけ申告不要を選ぶ、という使い分けができました。これができれば、国民健康保険料への影響も避けられたのです。
しかし令和6年度(令和5年分)から、所得税で選んだ課税方式と住民税の課税方式は一致させることになりました。つまり今は「税金だけ取り返して、保険料はそのまま」という選択肢がありません。申告するなら保険料への影響もセットで受け入れる、という時代です。

会社員・公務員のうちは、健康保険料が給料で決まるのでここはあまり関係ありません。効いてくるのは「国民健康保険に入ってから」。まさに我が家が来年からそうなります。
改正で何が変わるのか|厚労省の資料を読む
厚生労働省の資料「後期高齢者医療制度における金融所得の公平な反映」には、こう書かれています。
同じ所得なのに保険料も窓口負担も変わっていた
後期高齢者医療制度では、窓口負担が所得に応じて1割〜3割に分かれています。ところが年金や給与は必ず把握されるのに対して、上場株式の配当等は確定申告するかどうかで把握できたりできなかったりする。この不公平を解消する、というのが国の説明です。
資料には具体例も載っています。夫婦とも後期高齢者で、本人が年金230万円+上場株式の配当等50万円、配偶者が基礎年金83万円というケースです。
| ケース | 窓口負担割合 | 保険料 |
|---|---|---|
| 配当を確定申告した場合 | 2割 | 年169,978円(月14,165円) |
| 確定申告しなかった場合 | 1割 | 年118,928円(月9,911円) |
同じ収入でも、申告したかどうかで保険料が年5万円、医療費の窓口負担は倍違っていたわけです。改正後は、申告の有無にかかわらず金融所得を含めて判定することになります。
NISAは対象外と明記されている
同じ資料に、「(非課税のNISAは対象外です。)」とはっきり書かれています。ここは推測ではなく、公的資料に書かれている事実です。新NISAの配当や売却益は、この仕組みでは保険料に反映されません。
手続きが増えるわけではない
対象となる金融所得は、金融機関等が提出する法定調書を使って把握されます。資料にも「個人の事務負担等が増えることはありません」と書かれています。私たちが何か申請する必要はありません。裏を返せば、黙っていても国に見えるようになるということです。
実際に始まるのは「公布後5年以内」
改正法の施行期日は、原則が令和9年4月1日。ただし金融所得の勘案は「公布後5年以内に政令で定める日」とされています。公布が2026年6月5日なので、2031年6月までのどこかということになります。金融機関のデータベースと自治体システムの連携が必要なので、すぐには始まりません。「明日から保険料が上がる」という話ではないので、そこは落ち着いて大丈夫です。
我が家で試算|配当を申告すると国保料はいくら増える?
ここからは我が家の話です。2027年3月末に夫婦で退職すると、その後は国民健康保険(または健康保険の任意継続)に入ります。我が家の配当は、配当管理アプリの実測で2026年7月時点税引き前786,779円・利回り3.31%です(この記事の金額はすべて税引き前ベースで計算します。国民健康保険料の計算も、税引き前の配当所得が対象になるためです)。
香川県高松市の保険料率で計算してみる
国民健康保険料は市町村ごとに料率が違います。参考として、香川県高松市の令和8年度の料率を使って計算します。
| 区分 | 所得割率 | 均等割(1人) |
|---|---|---|
| 医療給付費分 | 9.88% | 31,700円 |
| 後期高齢者支援金分 | 2.60% | 8,700円 |
| 介護納付金分(40〜64歳) | 2.16% | 9,400円 |
| 子ども・子育て支援納付金分 | 0.28% | 1,300円 |
所得割率を合計すると、40歳未満は12.76%、40〜64歳は介護分を足して14.92%です。
配当78万円を申告に含めると、年約10万円増える計算
配当786,779円をそのまま所得割の対象に上乗せすると、こうなります。
- 40歳未満(私):786,779円 × 12.76% = 約100,000円
- 40〜64歳(夫):786,779円 × 14.92% = 約117,000円
配当から引かれている税金が約16万円(20.315%)。そこにさらに年10万円前後の保険料が乗るとすれば、手取りベースでの負担感はかなり変わります。「配当で生活費の一部を賄う」という計画にとって、無視できない金額です。
※注意点として、これは他に所得があって基礎控除(上限43万円)を使い切っている場合の増加分です。所得が少なく基礎控除が余っている人はここまで増えません。逆に、賦課限度額(医療分67万円など)に達している世帯は、これ以上増えません。実際の金額は自治体と世帯構成で変わるので、必ずお住まいの市町村の料率で計算してください。
保険料の「軽減」が外れることもある
もうひとつ見落としがちなのが、均等割の軽減(7割・5割・2割軽減)です。この判定は世帯の所得の合計で行われ、申告した配当所得は判定に含まれます。退職して収入が減った年に「軽減が使えると思っていたのに、配当を申告したせいで外れた」ということが起こり得ます。

「税金が戻るなら申告したほうがお得」と単純には言えないのが、退職後の怖いところ。我が家は2028年の確定申告から、税金と保険料をセットで計算する予定です。
今から準備できること4つ
1. NISAの枠を優先して使う
今回の改正で対象外と明記されたのはNISAです。同じ高配当株を持つなら、課税口座よりNISA口座を先に埋めるほうが、税金の面でも保険料の面でも有利になります。我が家も新NISAの成長投資枠を高配当株に使っています。
2. 確定申告するかどうかは「毎年」計算して決める
配当を申告すると、配当控除・損益通算・外国税額控除で税金が戻る一方、国民健康保険料や住民税の非課税判定に影響します。どちらが得かはその年の所得と自治体の料率次第で、万人に共通の正解はありません。私は毎年、市の料率表を見ながら両方のパターンを計算して決めるつもりです(判断に迷う場合は税務署や自治体の窓口、税理士に相談を)。
3. 退職直後は「任意継続」との比較を忘れない
退職後2年間は、勤務先の健康保険を任意継続する選択肢もあります。任意継続の保険料は退職時の標準報酬月額(上限あり)で決まるため、金融所得の影響を受けません。退職1年目は前年の給与が高く、国保だと保険料が跳ね上がりがちなので、我が家も両方を試算して選ぶ予定です。
4. 「保険料も含めた手取り」で家計を組む
サイドFIREの計画を立てるとき、配当は「税引き後」で見る人が多いと思います。私もそうでした。でも国民健康保険に入ると、そこからさらに保険料が引かれます。配当収入は「税金と保険料を引いた後」で家計に組み込む。これが今回いちばん大きな学びでした。
同じ改正には、子育て世帯にうれしい変更もある
この法改正、悪い話ばかりではありません。国民健康保険の子どもに係る均等割保険料の5割軽減が、これまでの未就学児から高校生年代まで拡大されます。施行は令和9年(2027年)4月1日です。
国民健康保険は、赤ちゃんや子どもにも均等割がかかります。高松市なら子ども1人あたり年間4万円以上。ここが半分になるのは、退職して家族全員が国保に入る我が家にとって、ありがたい話です。しかも我が家が国保に入る2027年4月とタイミングが重なります。
同じ改正法では、高額療養費について「特に長期療養者の家計への影響が適切に考慮されるよう」法律上明確化する規定が2026年8月1日から施行されています。制度改正は、負担が増える話と支えが増える話が同時に走っているので、ニュースの見出しだけで判断しないようにしたいところです。
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まとめ|「申告しなければ見えない」時代は少しずつ終わる
- 2026年6月5日、健康保険法等の改正法が公布された(令和8年法律第31号)
- 後期高齢者医療(75歳以上)では、確定申告の有無にかかわらず金融所得を保険料・窓口負担割合に反映する
- NISAは対象外。手続きは不要で、法定調書で把握される
- 施行は公布後5年以内(2031年6月まで)に政令で定める日
- 現役世代でも、今のルールで「確定申告すれば国保料に反映される」のは同じ
- 我が家の配当(税引前約78万円)を申告に含めると、国保料は年10万円前後増える計算
投資の利益に社会保険料がかかるかどうかは、サイドFIREを目指す人にとって死活問題です。だからこそ、SNSの「特定口座終了」みたいな強い言葉ではなく、公的資料に何がどう書いてあるかを自分で確かめる習慣が大事だと改めて思いました。
我が家は2027年3月末の退職に向けて、税金・社会保険料まで含めた手取りベースで計画を見直しているところです。進捗はまたブログで公開します。
参考にした公的資料
- 厚生労働省「医療保険制度改正法が成立しました」
- 厚生労働省「健康保険法等の一部を改正する法律(令和8年法律第31号)の概要」(PDF)
- 厚生労働省「後期高齢者医療制度における金融所得の公平な反映」(PDF)
- 高松市「国民健康保険料」(令和8年度の料率)
- 東京都北区「令和6年度より上場株式等の配当所得等及び譲渡所得等について所得税と異なる課税方式を選択することが出来なくなりました」
- 川崎市「上場株式等に係る配当所得等の課税方式と国民健康保険料について」
※制度は今後の政令や運用で変わる可能性があります。実際の手続きや金額は、お住まいの市区町村・年金事務所・税務署の最新情報をご確認ください。




