【退職金は申告書を出すかで手取りが変わる】退職所得控除は勤続年数で決まる|iDeCo一時金と重ねる時の注意

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こんにちは、みっちゃんママです。

我が家は2027年3月末に、夫婦そろって看護師の仕事を辞める予定です。退職まで半年を切り、いまは勤め先の手続きを一つずつ確かめています。そこで出てきたのが「退職所得の受給に関する申告書」という、聞きなれない紙でした。

調べてみて驚いたのですが、この紙を出すか出さないかで、退職金から引かれる所得税の額がまるで変わります。控除の範囲に収まっていれば所得税が1円もかからない人でも、出していないと支払額の20.42%が引かれます。退職金が1,000万円なら、204万2,000円です。

この記事では、国税庁と財務省の資料をもとに、次のことを整理しました。

  • 退職金の税金が軽くなる仕組み
  • 勤続年数ごとの退職所得控除の金額
  • 申告書を出さないと何が起きるか
  • iDeCoの一時金と退職金を重ねるときの期間の注意
  • 退職前に勤め先へ確かめておくこと
みっちゃんママ
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退職金って「もらうだけ」だと思っていました。まさか紙1枚でここまで変わるとは思っていなくて、調べながら少し怖くなりました。

目次

退職金の税金は3段階で軽くなる

結論から言うと、退職金は税金のうえでかなり優遇されています。毎月の給料とは別に計算され、しかも3段階で軽くなる仕組みです。

まず、勤続年数に応じた退職所得控除を差し引きます。次に、残った金額を2分の1にします。そのうえで税率をかけます。長く勤めた人の退職金が、ほとんど税金を取られずに手元に残るのはこのためです。

計算式にすると、こうなります。

退職金の税金が決まるまでの3ステップ
ステップ1
退職所得控除を引く
勤続年数で金額が決まる。30年なら1,500万円
ステップ2
残りを2分の1にする
ここで課税のもとになる金額が半分になる
ステップ3
税率をかける
給料や年金とは合算せず単独で計算する

ただし例外もあります。役員などで勤続年数が5年以下の場合は、2分の1の計算が使えません。役員以外で勤続年数が5年以下の場合も、控除を引いたあとの金額が300万円を超える部分には2分の1の計算が使えません。

出典:国税庁 No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)/国税庁 No.2740 勤続年数が5年以下の者に対する退職手当等(短期退職手当等)/国税庁 No.2737 役員等の勤続年数が5年以下の者に対する退職手当等

勤続年数ごとの退職所得控除はいくらか

退職所得控除の金額は、勤続年数だけで決まります。退職金の額や役職では変わりません。計算のルールは次の2つです。

  • 勤続20年以下:40万円 × 勤続年数(80万円に満たないときは80万円)
  • 勤続20年超:800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年)

勤続年数に1年未満の端数があるときは、1年に切り上げます。24年3か月なら25年として計算します。表にすると、こうなります。

勤続年数退職所得控除額
5年200万円
10年400万円
15年600万円
20年800万円
25年1,150万円
30年1,500万円
35年1,850万円
国税庁 No.1420 の計算式をもとに作成

20年を超えると、1年あたりの控除が40万円から70万円に増えます。同じ職場に長く勤めた人がいちばん得をする作りです。

出典:国税庁 No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)

みっちゃんママ
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端数が切り上げだと知って、はじめて「何年何か月で辞めるか」まで気にするようになりました。1年のつもりでも、控除の計算では1年増えることがあります。

申告書を出さないと支払額の20.42%が引かれる

ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。退職金を受け取るときには、勤め先に「退職所得の受給に関する申告書」を出します。出す期限は、退職金が支払われるときまでです。

この紙を出していれば、勤め先は退職所得控除と2分の1の計算を踏まえて税額を計算し、その分だけを源泉徴収します。多くの場合、確定申告はしなくて済みます。

出していないと、計算は一気に雑になります。控除も2分の1もなしで、支払額にそのまま20.42%をかけた額が源泉徴収されます。勤続30年で退職金1,000万円の人なら、本来の所得税は0円です。控除の1,500万円のほうが大きいからです。それでも申告書を出していなければ、204万2,000円が引かれます。

勤続30年・退職金1,000万円の人の所得税(イメージ)
申告書を出した場合
0円
控除1,500万円>退職金1,000万円。確定申告も原則いらない
申告書を出さなかった場合
204万2,000円
1,000万円×20.42%が先に引かれる。取り戻すには確定申告が必要
※所得税と復興特別所得税の話です。実際の金額は勤続年数や退職金の額で変わります。

救いはあります。出し忘れても、確定申告をすれば、出した場合と同じ計算でやり直して精算できます。お金が消えるわけではありません。ただ、戻ってくるのは翌年です。退職直後にまとまったお金が必要な時期に、200万円以上が何か月も止まるのは痛いところです。

出典:国税庁 A2-29 退職所得の受給に関する申告(退職所得申告)/国税庁 No.2732 退職手当等に対する源泉徴収

なお、退職金には住民税もかかります。こちらも給料とは別に計算され、退職所得の金額に市町村民税6%と道府県民税4%をかけた額が、退職金から差し引かれます。申告書の用紙は税務署長あてと市町村長あてが1枚になっているので、勤め先に出す紙は1枚で足ります。

出典:総務省 平成25年1月1日以降の退職所得に対する住民税の特別徴収について

iDeCoの一時金と退職金は受け取る順番と間隔で変わる

ここからは、iDeCoをやっている人に関わる話です。iDeCoの老齢給付金を一時金で受け取ると、税金のうえでは退職金と同じ「退職所得」として扱われます。つまり、同じ退職所得控除の枠を使い合うことになります。

そのため、2つを近い時期に受け取ると、勤続期間とiDeCoの加入期間の重なった分だけ控除が削られます。どのくらいの間隔を空ければ削られないのかは、受け取る順番で違います。

控除が削られるかどうかを見る期間
退職金が先 → iDeCoの一時金が後
前年以前19年内を見る
iDeCoを受け取る年から数えて19年内に退職金を受け取っていれば、重なった期間が調整される
iDeCoの一時金が先 → 退職金が後
4年内から9年内へ広がる
2026年1月1日以後にiDeCoの一時金を受け取った場合、同日以後に受け取る退職金はこの扱いになる

後者の期間は、令和7年度の税制改正で4年内から9年内に広がりました。改正の文言では「老齢一時金以外の退職手当等の支払を受ける年の前年以前9年内に老齢一時金の支払を受けている場合」が調整の対象です。適用は「令和8年1月1日以後に老齢一時金の支払を受けている場合であって、同日以後に支払を受けるべき退職手当等」からとされています。

先にiDeCoを受け取り、5年あけて退職金をもらう形で節税する方法は知られていました。その間隔が10年に延びた、というのが今回の改正です。

出典:国税庁 No.2735 同じ年に2か所以上から退職手当等が支払われるとき/財務省 令和7年度税制改正の大綱(一)

そもそもiDeCoの老齢給付金は、原則として60歳より前には受け取れません。60歳から受け取るには、60歳になるまでに通算加入者等期間が10年以上必要です。10年に足りない場合は、受け取れる年齢が後ろにずれます。8年以上10年未満なら61歳、6年以上8年未満なら62歳、4年以上6年未満なら63歳、2年以上4年未満なら64歳、1か月以上2年未満なら65歳からです。受け取り方は一時金・年金・その併用から選べます。

出典:iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会) 加入資格・掛金・受取方法等

みっちゃんママ
みっちゃんママ

我が家は夫がiDeCoをやっています。2027年3月に退職して退職金を受け取る予定で、iDeCoは60歳以降になるので「退職金が先」の順番です。19年内に入るので、一時金で受け取るか年金で受け取るかを今まさに夫と話しているところです。

ここは金額の前提が人によって違うため、どちらが得かは一律には言えません。我が家も結論は出ていません。勤め先の退職金と、iDeCoの残高、受け取る年齢の3つが決まらないと計算できないからです。決まったら、またこのブログで公開します。

退職前に勤め先へ確かめておく5つのこと

私が実際に確かめようと決めたのは、次の5つです。どれも勤め先に聞けば分かることばかりで、聞くのはタダです。

  1. 申告書の用紙はいつ渡されるか。渡されないまま支払日が来ないように、自分から聞いておく
  2. 退職金の支払日はいつか。年をまたぐと、受け取る年が変わり、確定申告の年も変わる
  3. 勤続年数の数え方。入職日からか、休職や育休の期間をどう扱うか
  4. 企業型の確定拠出年金や企業年金があるか。あればそれも退職所得の枠を使う
  5. 同じ年に2か所から退職金が出ないか。出る場合は計算の特例がある
みっちゃんママ
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1番の用紙のことですが、以前の病院では退職の書類の一覧にその書類があったので、書いて提出しただけでした。今の病院は規模が小さいので、どうなるか分かりません。

つまり、同じ看護師の職場でも、前の勤め先と今の勤め先で同じ扱いになるとは限りません。前の勤め先では退職時に渡される書類の一覧に申告書が入っていたので、迷う場面がありませんでした。だから1番は「渡されるはず」と思い込まず、自分から聞いて確かめることにしました。

3番の勤続年数の数え方は、勤め先の規程によって違います。ここは私も自分の職場の答えを持っていないので、分かったら追記します。退職所得控除の計算の対象になる期間は、最終的には勤め先が発行する源泉徴収票の記載で決まります。判断に迷うときは、勤め先か税務署に確かめるのが確実です。

ちなみに、これからiDeCoや証券口座を開く予定があるなら、申込みの前にポイントサイトを経由すると、ポイントがもらえる案件があります。私が使っているのはハピタスです。紹介リンクから登録すると、登録ボーナスがもらえます。

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よくある質問

申告書を出し忘れたら払い過ぎた税金は戻らないのか

戻ります。確定申告をすれば、申告書を出した場合と同じ計算でやり直して精算できます。ただし手続きは自分でやることになり、戻るのは翌年です。

退職所得控除は夫婦それぞれに使えるのか

使えます。退職所得控除は受け取る人ごとに、その人の勤続年数で計算します。夫婦で同じ年に退職しても、一方の控除がもう一方に影響することはありません。

退職金を年金のように分けて受け取るとどうなるのか

分割で受け取る形にすると、退職所得ではなく雑所得として公的年金等控除の対象になる場合があります。扱いが変わるので、勤め先の制度で選べるかどうかと、どちらの扱いになるかを合わせて確認してください。

2027年に退職してiDeCoを60歳で受け取ると控除は削られるのか

退職金が先、iDeCoの一時金が後という順番になるので、19年内を見る扱いに当たります。重なった期間の分は調整される前提で考えるのが安全です。実際にいくら削られるかは、勤続期間とiDeCoの加入期間の重なりで決まります。

まとめ

退職金の税金で押さえる4つ
申告書を出さないと20.42%
控除も2分の1もなしで引かれる。出す期限は退職金が支払われるときまで
控除は勤続年数だけで決まる
20年までは1年40万円、20年を超えると1年70万円。端数は1年に切り上げ
iDeCoの一時金も同じ枠を使う
退職金が先なら19年内、iDeCoが先なら9年内を見る。2026年1月1日以後の受け取りから適用
聞くのはタダ
用紙の渡される時期・支払日・勤続年数の数え方は、退職前に勤め先へ確認する

退職金は、人生で何度も受け取るものではありません。だからこそ、知らないまま紙を出し忘れる人がいます。我が家はまだ退職まで半年あるので、用紙のことは夫と二人で先に確かめておくことにしました。

金額の計算や有利な受け取り方の最終判断は、勤め先の制度と自分の数字を見ながら、税務署や専門家に確認してください。この記事は、確かめる場所を知るための地図として使ってもらえたらうれしいです。


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