こんにちは、みっちゃんママです。
退職したあとの学び直しを調べていて、講座の受講料が10万円を超えるものばかりで手が止まりました。そこで思い出したのが、毎月の給料から引かれている雇用保険です。調べてみると、受講料の一部が戻ってくる「教育訓練給付」という制度がありました。一般教育訓練なら受講料の20パーセント(上限10万円)、特定一般教育訓練なら40パーセント(上限20万円)、専門実践教育訓練なら最大80パーセント(年間上限64万円)が戻ります。
しかも初めて使う場合は、雇用保険に入っていた期間が1年以上あれば条件を満たします(専門実践だけ2年以上)。ただし辞めたあとに使うなら期限つきで、受講開始日が離職日の翌日から1年以内です。我が家は夫婦そろって看護師で、2027年3月末に退職する予定なので、間に合わせるなら2028年春ごろまでに受講を始める必要があります。
この記事は厚生労働省とハローワークの公表資料だけを使って、次のことを整理したものです。
- 教育訓練給付の3種類と、それぞれいくら戻るのか
- 在職中と離職後1年以内で変わる条件
- 対象の講座を自分で確かめる方法
- 受講の前にやる手続きと申請の期限
- 育児や病気で受講できない時に最大20年まで延ばせる申し出

退職は2027年3月末の予定です。辞めてからでも使えると知って安心しましたが、1年以内という期限があったので、先に調べておくことにしました。
教育訓練給付は3種類に分かれている
教育訓練給付は、働く人が自分で選んだ講座を受けたときに、かかった費用の一部を雇用保険から出してくれる制度です。ハローワークが用意する職業訓練とは別もので、こちらは自分で講座を選んで、自分で受講料を払ってから、あとで一部が戻ってくる形になります。講座の内容と目的によって、一般教育訓練・特定一般教育訓練・専門実践教育訓練の3種類に分かれており、戻る割合も上限額も違います。
| 種類 | どんな講座が中心か | 戻る割合と上限 |
|---|---|---|
| 一般教育訓練 | 雇用の安定や就職の促進に役立つ訓練(簿記や語学など幅広い講座) | 受講料の20パーセント・上限10万円 |
| 特定一般教育訓練 | 速やかな再就職や早期のキャリア形成に役立つ訓練 | 受講料の40パーセント・上限20万円(資格取得と就職で50パーセント・上限25万円) |
| 専門実践教育訓練 | 中長期的なキャリア形成に役立つ、期間の長い訓練 | 受講料の50パーセント・年間上限40万円(資格取得と就職で70パーセント・年間上限56万円、賃金が5パーセント以上上がれば80パーセント・年間上限64万円) |
同じ分野でも、どの種類に指定されているかは講座ごとに決まっています。気になる講座を見つけたら、まずその講座が3種類のどれなのかを確かめるのが先です。種類が分かれば、戻る金額も手続きの流れも決まります。
在職中と離職後1年以内で変わる条件
条件を判定する基準の日は、申し込んだ日ではなく受講を開始した日です。受講開始日に雇用保険の被保険者であれば在職者として、すでに辞めていれば離職者として扱われます。在職者に求められるのは雇用保険に入っていた期間(支給要件期間)の長さで、離職者にはそこに期限が加わります。
支給要件期間は、原則として3年以上必要です。ただし教育訓練給付を使うのが初めてなら、一般教育訓練と特定一般教育訓練は1年以上、専門実践教育訓練は2年以上に短くなります。看護師のように長く働いてきた人なら、ほとんどの場合この条件は満たしているはずです。転職をはさんでいて数え方が分からない場合は、ハローワークに「教育訓練給付金支給要件照会票」を出せば、使えるかどうかを先に調べてもらえます。
一度使ったあとに2回目を使うには、前回の支給日から今回の受講開始日の前日までに3年以上が必要です。しかも過去の受講開始日より前の期間は通算されないため、受給したあとに3年以上働いて初めて次の資格が生まれます。「とりあえず安い講座で1回使っておく」という使い方をすると、本命の講座に使えなくなるので注意したいところです。
出典:厚生労働省 Q&A 一般教育訓練給付金/厚生労働省 Q&A 専門実践教育訓練給付金

職場の研修とは別に、自分でお金を出して受けた講座や資格は、これまでありません。受けるなら在職中より退職後のほうが動きやすいと思っているので、私が気にしているのは離職者のほうの「1年以内」です。
いくら戻るのか受講料ごとに計算してみる
戻る金額は「教育訓練経費 × 給付率」で決まり、上限に当たったらそこで止まります。ここで大事なのが教育訓練経費の中身です。対象になるのは自分が教育訓練の実施者に払った入学料と受講料(最大1年分)の合計だけで、検定試験の受験料・交通費・パソコンなどの器材の費用は入りません。パンフレットの「総額」で計算すると、実際より多く見積もってしまいます。
| 入学料と受講料の合計 | 一般教育訓練(20パーセント) | 特定一般教育訓練(40パーセント) |
|---|---|---|
| 2万円 | 4,000円 → 支給されない | 8,000円 |
| 5万円 | 1万円 | 2万円 |
| 20万円 | 4万円 | 8万円 |
| 50万円 | 10万円(上限に到達) | 20万円(上限に到達) |
表のいちばん上に注目してください。一般教育訓練にはその20パーセントに相当する額が4千円を超えない場合は支給されないという決まりがあります。受講料2万円の講座だと20パーセントがちょうど4,000円なので、1円も戻りません。安い講座を選ぶほど得になるわけではない、という落とし穴です。
受講料(最大1年分)
必ずしも必要でない補助教材費
補講費・各種行事の参加費
受講のための交通費
パソコンなどの器材の費用
資格の講座は「受講料は安いけれど受験料が高い」ものも珍しくありません。戻る金額を見積もるときは、受験料と交通費を先に外して考えると、見込みと実際のズレが小さくなります。
対象講座の探し方は検索システムで確かめる
対象になる講座は、厚生労働大臣が指定したものだけです。学校のパンフレットに「給付金が使えます」と書いてあっても、指定の期間や講座のコースが違えば対象外になることがあります。確かめる先は厚生労働省の教育訓練給付制度の検索システムで、学校名・講座名・分野や資格名から探せます。
検索システムで講座が見つかっても、それは「講座の側が対象」という意味にすぎません。自分が条件を満たしているかは別の確認が必要で、そこはハローワークの支給要件照会が担当します。照会票に記入して本人確認書類を添え、来所・代理人・郵送・電子申請のいずれかで出せば、受けられるかどうかと、いつから使えるかを教えてもらえます。

退職したあとに勉強したいこととして、今いちばん考えているのは簿記とFPです。エアコンクリーニングのような実技系も気になっています。どれが対象講座に入っているかは、この検索システムで一つずつ確かめるつもりです。
出典:厚生労働省 教育訓練給付制度 検索システム/ハローワークインターネットサービス 教育訓練給付金
受講の前にやる手続きは種類で違う
ここが一番つまずきやすいところです。一般教育訓練は受講前の手続きがいらず、修了してから申請します。ところが特定一般教育訓練と専門実践教育訓練は、受講を始める前にハローワークで手続きを済ませていないと、あとから申請しても給付を受けられません。申し込む前に、自分が受ける講座がどの種類かを確かめる必要があるのは、この違いがあるためです。
申請の期限も種類ごとに決まっています。一般教育訓練と特定一般教育訓練は修了日の翌日から1か月以内、特定一般で上乗せ分まで受けるなら資格取得または就職した日のいずれか遅い日から1か月以内に追加の申請が必要です。専門実践教育訓練は期間が長いため、受講開始日から6か月ごとの期間の末日から1か月以内に年2回申請します。
訓練前キャリアコンサルティングの予約は、混み具合によって日数がかかります。「2週間前まで」を狙って動くと間に合わないことがあるので、受講を決めたらまずハローワークに相談するのが安全です。
出典:ハローワークインターネットサービス 教育訓練給付金/厚生労働省 Q&A 専門実践教育訓練給付金
休むときや失業手当と組み合わせる制度
受講料の一部が戻るだけでは、仕事を離れて学ぶ間の生活費は埋まりません。そこを支える仕組みが別に用意されています。2025年に新しくできたものもあり、組み合わせ方で受け取れる額が変わります。我が家のように退職の時期が決まっている場合は、どれが自分に当たるのかを先に見ておくと動きやすくなります。
辞めずに休んで学ぶ教育訓練休暇給付金
2025年10月に創設された制度です。業務命令ではなく就業規則などに基づいて連続した30日以上の無給の教育訓練休暇を取ったときに、離職した場合の基本手当と同じ額が支給されます。要件は、休暇開始前に雇用保険に入っていた期間が5年以上あることと、休暇開始前2年間に12か月以上の被保険者期間があること。給付日数は加入期間に応じて90日・120日・150日に分かれます。
出典:厚生労働省 教育訓練休暇給付金/厚生労働省 教育訓練休暇給付金のご案内(簡略版)
失業中の生活費を補う教育訓練支援給付金
失業中の人が初めて専門実践教育訓練(通信制と夜間制を除く)を受ける場合に、受講料の給付とは別に支給されるお金です。条件は受講開始時に45歳未満であることなど。額は基本手当の日額に相当する額の60パーセントで、2025年3月31日より前に受講を始めた人は80パーセントでした。受講開始日が2027年3月31日以前であることという期限つきの措置なので、これから退職する人が使うには時間が足りない場合があります。
自己都合で辞めても給付制限が解除される
自分の都合で辞めると、失業手当はすぐには出ません。2025年4月1日以降に離職した人の給付制限期間は原則1か月で、5年間に3回以上の自己都合離職があると3か月になります。ここに教育訓練がからみます。教育訓練給付金の対象となる教育訓練などを離職日前1年以内に受けた人、または離職日以後に受けている人は、給付制限が解除されるという扱いになりました(2025年4月1日以降に受講を開始したものに限り、途中退校は対象外)。学ぶ気があるなら待たずに受け取れる、という方向の見直しです。

受講料が戻る話だけ追いかけていましたが、辞めたあとの生活費や失業手当の順番ともつながっていました。退職の時期と受講の時期はセットで考える必要がありそうです。
受講できない事情があるなら最大20年まで延ばせる
離職者の「1年以内」は、事情があれば延ばせます。被保険者資格を喪失した日以降の1年のうちに、妊娠・出産・育児・疾病・負傷などの理由で引き続き30日以上教育訓練の受講を開始できない日がある場合、ハローワークに申し出ることで適用対象期間を延長できます。延長できる範囲は最大20年以内です。
子育てで受講を後回しにせざるを得ない時期は、誰にでもあります。延長の申し出を知らずに1年を過ぎてしまうと、それまで払ってきた雇用保険料から受けられる権利を使わずに終わってしまいます。手続きは自分から申し出る形なので、該当しそうなら早めにハローワークへ確かめておきたいところです。
よくある質問
調べているうちに引っかかった点を、厚生労働省とハローワークの資料で確かめた形でまとめました。自分のケースに当てはまるかどうかの最終的な判断は、ハローワークの窓口で確かめてください。
転職をはさんでいても雇用保険の期間は足せるのか
支給要件期間の数え方には細かい決まりがあり、自分で計算して判断するのは危ないところです。ハローワークに支給要件照会票を出せば、受けられるかどうかを事前に確認してもらえます。照会をしても、あとで支給申請の手続きが別に必要になる点は押さえておきましょう。
1回使ったあと次はいつから使えるのか
前回の教育訓練給付金の支給日から、今回の受講開始日の前日までに3年以上が経っていることが必要です。さらに過去の受講開始日より前の被保険者期間は通算されないため、受給後に3年以上の支給要件期間を積み直すことになります。
受講料が2万円の講座でも戻るのか
一般教育訓練では、20パーセントに相当する額が4千円を超えない場合は支給されません。入学料と受講料の合計が2万円なら20パーセントは4,000円で、超えていないため不支給です。
テキスト代やパソコン代も戻るのか
対象は入学料と受講料(最大1年分)です。検定試験の受験料、必ずしも必要とされない補助教材費、補講費、各種行事の参加費、交通費、パソコンなどの器材の費用は含まれません。
退職前に申し込んで受講が退職後になる場合はどちら扱いか
判定の基準は受講開始日です。受講開始日に被保険者であれば在職者、すでに離職していれば離職者として扱われ、離職者の場合は離職日の翌日から1年以内という期限がかかります。
離職してから1年を過ぎたらもう使えないのか
妊娠・出産・育児・疾病・負傷などで引き続き30日以上受講を始められない日があるなら、ハローワークに申し出て適用対象期間を延長できます。延長できるのは最大20年以内です。
自己都合で辞めても失業手当をすぐもらえるのか
教育訓練給付金の対象となる教育訓練などを離職日前1年以内に受けた場合、または離職日以後に受けている場合は、給付制限が解除されます。対象は2025年4月1日以降に受講を開始したものに限られ、途中で退校した場合は該当しません。詳しい当てはめはハローワークに相談してください。
まとめ
毎月の給料から引かれている雇用保険は、失業したときだけのものではありませんでした。学び直しの受講料にも使えて、しかも初めてなら加入1年以上で条件を満たします。期限は辞めてから1年。その1年の中で動けない事情があるなら、申し出れば延ばせます。
我が家は2027年3月末の退職に向けて、やることが毎月増えています。健康保険や年金の切り替えに追われて学び直しを後回しにすると、1年の期限が先に来てしまいます。受講したい講座が決まっていなくても、支給要件照会だけは先に出しておくというのが、調べ終わっての結論でした。制度の当てはめは人によって変わるので、最終的な判断はハローワークで確かめたうえで決めてください。





