【退職後すぐ扶養に入ると約34万円の損】先に失業手当をもらう順番に変えた我が家の試算

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退職後すぐ扶養に入るより先に失業手当をもらう方が得だと説明するアイキャッチ画像

こんにちは、みっちゃんママです。

会社を辞めたあと、「配偶者の扶養に入れば保険料がかからないから、それが一番お得」と思っていませんか。私もそう思っていました。

結論から書きます。我が家の試算では、退職後すぐに扶養へ入ると、約34万円を損するという結果になりました。いったん自分で保険料を払ってでも、先に失業手当を受け取ってから扶養に入るほうが得だったのです。

これは夫婦のどちらか一方が辞める場合でも同じです。「扶養に入る前に、失業手当をもらえないか確認する」——ただそれだけで、数十万円変わることがあります。

我が家は少し特殊で、2027年3月末に夫婦そろって同時退職する予定です。そのぶん、健康保険や税金の組み立てを何度も計算し直すことになりました。この記事では、その過程で分かったことを実例として公開します。

  • 退職後すぐ扶養に入ると約34万円損する理由
  • 専従者給与を出すときに立ちはだかる「2つの壁」
  • 任意継続は2年で自動終了する。その先をどうするか
  • 落とすと取り返しがつかない期限のまとめ
みっちゃんママ
みっちゃんママ

「保険料がタダになる」に飛びついていたら、この34万円は取り逃していました。手続きの順番だけで、こんなに変わるとは思っていませんでした。

なお、退職前後の手続きそのものについてはやることリストの記事退職翌年がキツい理由の記事にまとめています。この記事は、その先の「どの順番でやるか」の話です。

目次

【実例】我が家が組んだ3年計画の全体像

先に完成図を見てもらったほうが早いので、我が家の予定を並べます。夫婦同時退職という特殊なケースですが、片方だけ辞める場合でも考え方は同じです。

我が家の3年計画
2027年4月〜
夫婦で役割を分ける
妻が任意継続の本人になり子を扶養へ/夫は失業手当を受け取ってから合流
2028年1月〜
夫を専従者にする
1年目はあえてやらない。理由は配偶者控除
2029年4月〜
任意継続が強制終了
最長2年で満了。その先をどうするか決めておく

ポイントは、2027年に決めたことが2029年まで効いてくるということです。1年目の選択が、その先の選択肢を狭めたり広げたりします。

【2027年4月】夫婦で”同じ手続き”をしない

妻が任意継続の本人になり、子どもを扶養に入れる

退職後の健康保険は、任意継続・国民健康保険・家族の扶養の3択です(この比較は別記事に書きました)。

我が家は私(妻)が任意継続の本人になり、子どもを扶養に入れる形にします。退職後も事業を続けるので、家族の保険の土台を私に置くほうが安定するからです。

協会けんぽの説明によると、任意継続の保険料は退職時の標準報酬月額に都道府県の保険料率を掛けた額。ただし上限があり、退職時の標準報酬月額が32万円を超えていた場合は32万円で計算されます。在職中は会社と折半だった分を全額自分で負担することになります。

私の給与明細から標準報酬月額を確認して計算したところ、保険料は月およそ28,700円になりました(私は40歳未満なので、自分の分の介護保険料はかかりません)。

ただしここで、ひとつ確認しないといけないことが出てきました。介護保険料は40歳から64歳の人にかかるので、扶養に入る予定の夫(50代)はこの年齢に当てはまります。

介護保険料は健康保険料と一緒に「加入している本人」から徴収される仕組みなので、扶養に入った夫あてに直接請求が来ることはありません。ただし健康保険によっては、本人が40歳未満で扶養家族が40〜64歳の場合に、本人から介護保険料を徴収する取り扱いがあると言われています。

我が家はまさにこの組み合わせ(私が30代・夫が50代)なので、実際に上乗せがあるかどうかは、任意継続を申し込むときに窓口で確認する予定です。ここが変わると毎月の金額が変わってしまうので、確認せずに計算だけ進めるのは危ないと思っています。

夫はいったん自分で任意継続 → 失業手当を受け取ってから合流

ここが今回いちばん書きたかったところです。

普通に考えれば、夫も最初から私の扶養に入れば保険料はタダです。でも我が家はそうしません。夫には失業手当を受け取ってもらうからです。

失業手当は「働く意思と能力があるのに仕事がない」人がもらえるもの。受給中は求職活動が必要で、収入とみなされるため扶養にも入れません。だから夫は、

  • 退職後20日以内に自分で任意継続に加入(つなぎの保険)
  • ハローワークで手続きし、求職活動をしながら失業手当を受給
  • 受給が終わったら任意継続をやめて、私の扶養に合流

という順番になります。任意継続は2年より前でも本人が申し出れば途中でやめられるので(協会けんぽ)、この使い方ができます。

保険料を4か月分よけいに払っても、34万円得だった

「保険料を払ってまで手当をもらう意味があるの?」と思いますよね。私も最初はそう思いました。実際に計算したのがこちらです。

💡 すぐ扶養に入れると、34万円を取り逃す
すぐ扶養に入れる
保険料0円
でも手当50万円をもらえない
=約34万円の損
vs
手当をもらってから合流
約34万円お得
手当 約50万円 − つなぎ保険 約16万円

※夫は勤続3年・自己都合退職で給付日数90日の想定。金額は在職時の給与や退職理由で変わります。実際の日数・金額はハローワークでご確認ください。

4か月ほど余分に保険料を払っても、差し引きで30万円以上のプラスになる計算でした。「タダにする」ことだけを考えていたら、この34万円は取り逃していたことになります。

ちなみに私自身については、事業を続けるつもりなので、失業手当は受けられない可能性が高いと考えています。ただし受給できるかどうかを判断するのはハローワークなので、勝手に決めつけず、退職後に窓口で相談するつもりです。

いずれにしても、夫婦のうち片方だけがこのルートを取れるという点が、役割を分けた理由のひとつになりました。

みっちゃんママ
みっちゃんママ

受給中は本当に求職活動をする必要があります。「手当だけもらう」つもりなら成り立たない話なので、そこは夫と確認して決めました。

我が家のスタンス:不正受給にならないように

ここは誤解されたくないので、はっきり書いておきます。

私も夫も、一度いまの病院を卒業して、いい勤め先があれば再就職するつもりでいます。手当だけを目当てにしているわけではありません。

失業手当は「働く意思と能力があるのに仕事が見つからない」人のための制度です。働くつもりがないのに受け取れば不正受給になりますし、そうなれば返還だけでは済みません。

だから我が家は、

  • 受給できるかどうかは自己判断せず、ハローワークに相談して決める
  • 受給する場合は本当に求職活動をする
  • 状況が変わったら(就職が決まった・事業に専念することにした等)正直に申告する

という前提で動きます。制度を上手に使うことと、ルールを外れることは別ものだと思っています。

みっちゃんママ
みっちゃんママ

「せっかくだから手当をもらっておこう」ではなく、「働く場所を探しながら、その間の生活を支えてもらう」制度なんですよね。ここを曖昧にしたまま進めるのが一番こわいと思っています。

【2028年1月】あえて1年待ってから夫を専従者にする

2027年は「専従者にしない」ことを選ぶ

私は退職後、物販の事業を本格化させる予定です。夫には梱包や在庫管理を手伝ってもらうので、青色事業専従者給与という形で給与を出せます。事業の経費にできる制度です。

ただし国税庁の説明にあるとおり、専従者として給与を受け取ると、その人は同一生計配偶者や扶養親族にはなれません。つまり配偶者控除(38万円)が使えなくなります

そこで我が家は、2027年は専従者にせず、2028年1月から始めることにしました。理由はこうです。

  • 2027年は夫が失業手当を受給する年。受給中は求職活動が必要なので、そもそも専従者にはできない
  • 専従者にしないので、2027年分の確定申告で配偶者控除38万円が使える
  • 夫にとっても、退職直後の1年は少し羽を伸ばせる

制度の都合と、夫の気持ちの両方が同じ答えになったのは幸運でした。

届出は「上限の金額」で出しておく

専従者給与を経費にするには「青色事業専従者給与に関する届出書」を出す必要があります。国税庁によると、提出期限はその年の3月15日(年の途中で専従者がいることになった場合は、その日から2か月以内)。

そして大事なのが、経費にできるのは「届出書に記載されている金額の範囲内で支払われたもの」という点です。

そこで我が家は届出は上限の月8万円で出しておいて、実際の支払いは月5万円から始める予定です。こうすれば、働きぶりを見ながら増やすときに届出をやり直さずに済みます。逆に、少なく届け出てあとから増やしたい場合は出し直しが必要になります。

ほかにも要件があり、国税庁の説明ではその年を通じて6か月を超える期間、その事業に専ら従事していることその年の12月31日現在で15歳以上であることなどが必要です。

じつは「130万円の壁」より先に来る壁があった

専従者給与の金額を決めるとき、最初は「夫が私の健康保険の扶養から外れない範囲=130万円未満に収めればいい」と思っていました。でも調べてみたら、条件はもうひとつありました。

協会けんぽの被扶養者の認定基準には、こう書かれています。

認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満である場合は被扶養者となります

全国健康保険協会「被扶養者とは?」

つまり「130万円未満」と「私(被保険者)の収入の半分未満」の両方を満たす必要があるということ。我が家の場合、後者のほうが先に効いてきます。

⚠️ 専従者給与の金額で、必要な事業所得が変わる
夫への専従者給与年額私の事業所得がいくら必要か
月5万円60万円120万円超
月8万円96万円192万円超

※「被保険者の年間収入の2分の1未満」という条件から逆算した金額です。収入の数え方や判断は保険者によるため、実際の金額は窓口でご確認ください。

給与を月8万円にすると、私の事業所得が年192万円を超えていないと、この条件をクリアできない計算になります。事業が思ったより伸びなかった年は、夫が扶養から外れて自分で国民健康保険と国民年金を払うことになるわけです。

ただし、協会けんぽには例外の説明もあります。年間収入が130万円未満で、被保険者の年間収入を上回らない場合には、世帯の生計の状況から総合的に判断して被扶養者となる場合がある、というものです。とはいえ判断するのは保険者なので、こちらで「大丈夫だろう」と決めることはできません。

だから「上限で届け出て、実払いは少なく」が効いてくる

ここまで調べて、届出は月8万円で出しておいて、実際の支払いは月5万円から始めるという形にしておいてよかったと思いました。

専従者給与の金額は、税金の話(経費が増える)だけで決めるものではなかったんですね。

  • 金額を増やす → 経費が増えて所得税・住民税は下がる
  • でも増やしすぎると → 夫が扶養から外れて、保険料が家計に乗ってくる

この2つを見比べて決める必要があります。我が家は事業の実績を見ながら、扶養が維持できる範囲で少しずつ増やす方針にしました。

みっちゃんママ
みっちゃんママ

「130万円未満ならOK」で計算を進めていたら、あとから条件を知って慌てるところでした。制度は「金額の上限」だけ見ても足りなくて、「誰と比べるか」まで確認しないといけないんだと分かりました。

【2029年4月】任意継続は2年で強制終了する

2年の満了は自動。手続きも要らない代わりに、待ってもくれない

意外と見落とされがちなのが、任意継続の加入期間は資格を取得した日から2年間だということです。協会けんぽの説明では、2年の期間満了時には自動的に資格が喪失され、手続きは不要とされています。

つまり我が家の場合、2029年3月末で任意継続が終わる。その先は国民健康保険に入るか、家族の健康保険の扶養に入るかのどちらかになります。

ここで大事なのが、その時点で事業の利益がどうなっているかです。国民健康保険は前年の所得がベースになるので、事業が伸びているほど保険料も上がります。

選択肢のひとつとして「法人をつくる」も調べている

そこで我が家が調べているのが、小さな会社(マイクロ法人)をつくって、そちらの社会保険に入るという選択肢です。

ただしこれは誰にでも当てはまる方法ではありませんし、我が家もまだ決定していません。調べていて分かった注意点を、正直に書いておきます。

⚠️ 法人を検討するなら知っておきたいこと
同じ事業を個人と法人に分けるのはNG
「実態として別の事業」と言えないと否認されるリスクがあります。我が家が個人と法人で違う事業を担当させる前提で考えているのはこのためです
設立費用と維持の手間がかかる
設立にお金がかかるうえ、赤字でも毎年かかる税金や、法人の決算・申告という作業が増えます
在庫を持つ事業は法人に向かない
物販は在庫の管理と会計が重いので、我が家は個人事業のまま残す方向で考えています
判断する前に必ず専門家に相談する
我が家も、設立してからではなく設計の段階で税理士さんに見てもらう予定です

「保険料が安くなるらしい」という話だけを聞いて動くと、確実に失敗すると思っています。2028年の秋、事業の実績を見てから最終判断するという予定にしているのは、そのためです。

落とすと取り返しがつかない「期限」

ここまでの計画で、期限を落とすと選択肢そのものが消えてしまうものを集めました。我が家のカレンダーにも入れてあります。

📅 落とせない期限
いつまで何を
退職後20日以内任意継続の申出書を提出(協会けんぽ)
退職後すみやかに国民年金への切替、ハローワークでの求職の申込み
その年の3月15日青色事業専従者給与に関する届出書(国税庁)
加入から2年任意継続が自動的に満了(延長はできない)

※手続きの詳細や必要書類は加入先・お住まいの自治体によって異なります。必ず窓口でご確認ください。

特に任意継続の20日は、退職直後のバタバタした時期と重なります。ここを逃すと国民健康保険しか選べなくなるので、退職前から準備しておくつもりです。

まとめ

⭕ 我が家が出した答え
① 夫婦で同じ手続きをしない
妻が任意継続の本人(月約28,700円)+子を扶養。夫は失業手当を取ってから合流
② 保険料を余分に払ってでも手当を取りに行く
手当 約50万円 − つなぎ保険 約16万円 = 約34万円お得な見込み。すぐ扶養に入るとこの分を取り逃す。受給可否の判断はハローワーク
③ 専従者は1年待ってから
2027年は配偶者控除38万円を使い、2028年1月から専従者給与へ。金額は「130万円未満」かつ「私の収入の2分の1未満」の両方を見て決める
④ 2年後の出口を今から決めておく
任意継続は2年で自動終了。その先は事業の実績を見て、専門家に相談してから判断する

制度そのものは、調べれば誰でも同じ情報にたどり着けます。差がつくのは「自分の家の条件に当てはめて、どの順番でやるか」のほうでした。

我が家の場合、たまたま片方が事業を続けて、片方が失業手当を受けられるという条件だったので、この形になりました。共働きの方は、一度夫婦それぞれの条件を並べて比べてみると発見があるかもしれません。

実際に手続きをしたら、また結果を記事にします。

参考にした資料(すべて公的機関)

※本記事は2026年8月時点の公的機関の情報をもとに、我が家の予定を整理したものです。まだ実行していない計画であり、制度の要件・保険料率・給付日数は変更されることがあります。金額は我が家の条件での試算であり、どなたにも当てはまるものではありません。実際の判断は、協会けんぽ・年金事務所・ハローワーク・税務署などの窓口や、税理士等の専門家にご確認ください。


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