こんにちは、みっちゃんママです。
10月に入ると、かかりつけの小児科や内科に「インフルエンザ予防接種の予約受付を始めました」の貼り紙が出ます。我が家も毎年この時期に、家族の分をどうするか考えます。
ここで気になるのが費用です。予防接種は健康保険が効かないので全額自己負担。しかも13歳未満の子どもは2回打つので、家族分となるとそれなりの金額になります。
この記事では、厚生労働省と国税庁の資料をもとに、費用の考え方・助成の探し方・打つ時期の逆算を整理します。打つべきかどうかを勧める記事ではありません。接種を受けるかどうかは、かかりつけの医師とご相談ください。
- なぜ全額自己負担なのか(保険が効かない理由)
- 13歳未満は2回。家族構成別のざっくり試算
- 助成は「高齢者だけ」ではない。見落とされている入り口
- いつ打つのが合理的か(厚労省が示している目安)
- 我が家が今、家族の誰も受けていない理由(正直に書きます)
- 予防接種代は医療費控除にならない。ただし別の制度の入り口にはなる
まず前提:予防接種に健康保険は効きません
「治療ではない」から全額自己負担
厚生労働省のQ&Aに、理由がはっきり書かれています。
インフルエンザワクチンの接種は病気に対する治療ではないため、健康保険が適用されません。原則的に全額自己負担となり、費用は医療機関によって異なります。
厚生労働省「インフルエンザワクチン(季節性)」Q12
ポイントは「費用は医療機関によって異なります」という部分です。診療報酬で価格が決まっている治療とは違い、いくらにするかは各医療機関が決めています。同じ市内でも金額が違うのは、そのためです。
だから「相場はいくらですか」と聞かれても、正直なところお住まいの地域と医療機関次第としか言えません。この記事でも具体的な相場は書きません。かかりつけと、近くの数か所に電話で聞くのが確実です。
医療費控除の対象にもならない
「高額になるなら確定申告で取り戻せないか」と考えたくなりますが、こちらは残念ながら難しいです。国税庁のページ(No.1122)を見ると、医療費控除の対象は医師による診療・治療の対価が基本で、病気の予防や健康増進のための費用は含まれません。
ただし、まったく無関係というわけでもありません。ここは記事の後半で書きます。
13歳未満は2回。だから家族で計算すると跳ねる
年齢で回数が変わる
厚生労働省のQ9に、接種量と回数が明記されています。
- 生後6か月以上3歳未満:1回0.25mL、2回接種
- 3歳以上13歳未満:1回0.5mL、2回接種
- 13歳以上:添付文書上は1回または2回だが、0.5mLの1回接種で2回接種と同等の抗体価の上昇が得られるとの報告があり、定期接種は1回接種
子育て中の家庭にとっては、ここが効いてきます。大人は1回、子どもは2回。同じ人数の家族でも、子どもが何人いるかで支払う回数が変わるということです。
細かい話ですが、1回目の接種時に12歳で、2回目のときに13歳になっていた場合でも、12歳として2回目を接種して差し支えないとも書かれています。誕生日がシーズンにかかる子は覚えておくと安心です。
子ども2回 × 1人
子ども2回 × 2人
1回あたりの金額は医療機関ごとに異なります。通っている医療機関の金額に、この回数をかけて計算してください
大人2人と13歳未満の子ども2人の4人家族なら、1シーズンで6回分の料金。仮に1回3,000円の医療機関なら18,000円です。冬の出費としては小さくありません。だからこそ、次の「助成」を先に確認しておく価値があります。
助成は「高齢者だけ」の話ではありません
法律で決まっている定期接種の対象
予防接種法に基づく定期接種の対象は、厚生労働省のQ13にこう書かれています。
- 65歳以上の方
- 60〜64歳で、心臓・腎臓・呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活が極度に制限される方(おおむね身体障害者障害程度等級1級に相当)
- 60〜64歳で、HIVによる免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方(同上)
この方たちは毎年度、秋冬に1回の定期接種を受けられます。自己負担額は市区町村が決めているので、住んでいる場所によって違います。
見落とされがちなのは、この一文
同じQ12の最後に、こう書かれています。
(定期接種の対象でない方であっても、市区町村によっては、独自の助成事業を行っている場合があります)
厚生労働省「インフルエンザワクチン(季節性)」Q12
ここです。「うちは高齢者がいないから関係ない」と思って調べない人が、いちばん損をします。
自治体によっては、子ども・妊婦・受験生などを対象に独自の助成を出しているところがあります。金額も対象年齢も、市区町村ごとにばらばらです。制度があっても、申請しないともらえません。
確認する場所は4つだけ
厚生労働省が案内している問い合わせ先はこちらです。9月のうちに1回、確認しておけば十分です。
- お住まいの市区町村(保健所・保健センター)のホームページ。「市区町村名+インフルエンザ+助成」で検索
- 地域の医師会
- 医療機関・かかりつけ医(予約の電話のときに「助成は使えますか」と一言)
- 会社員の方は勤務先の健康保険組合(独自に補助を出している組合があります)
もうひとつ、勤務先そのものが接種の機会を用意している場合もあります。医療機関や介護施設、学校などでは、職場で接種を受けられることが少なくありません。費用の扱いは職場によって違うので、案内が来ていないか秋のうちに確認しておくと無駄がありません。

予約の電話をかけるついでに「助成は使えますか」と聞くのがいちばん早いです。使える場合は、持ち物や手続きもその場で教えてもらえます。
いつ打つのが合理的か(逆算するとスタートは秋)
厚労省が示している目安
厚生労働省のQ11に、はっきりした目安が示されています。
日本では、インフルエンザは例年12月~3月頃に流行し、例年1月末~3月上旬に流行のピークを迎えますので、12月中旬までにワクチン接種を終えることが望ましいと考えられます。
厚生労働省「インフルエンザワクチン(季節性)」Q11
ゴールは12月中旬。ここから逆算します。
出典:厚生労働省「インフルエンザワクチン(季節性)」Q11をもとに作成。接種間隔は医師の指示に従ってください
子どもが2回打つ家庭は、10月に動き始めないと12月中旬に間に合わないということです。11月後半になると予約が取りにくくなる年もあります。9月のうちに段取りだけしておくと、あとが楽になります。
効果は「どのくらい」と説明されているか
お金をかける以上、効果の話も避けて通れません。ここは私の意見ではなく、厚生労働省が公表している数字をそのまま並べます。
- 65歳以上の高齢者福祉施設に入所している高齢者:34〜55%の発病を阻止し、82%の死亡を阻止する効果があったとする国内の研究
- 6歳未満の小児(2015/16シーズンの研究):発病防止に対する有効率60%
- 乳幼児:報告によって幅があり、概ね20〜60%の発病防止効果
同時に、厚生労働省はこうも明記しています。「現行のインフルエンザワクチンは、接種すればインフルエンザに絶対にかからない、というものではありません」。効果は発病の予防に加えて、重症化の予防にある、という説明です。
注射以外の選択肢もある(経鼻タイプ)
もうひとつ、知っておくと選択肢が広がる話があります。厚生労働省のQ2に、小児および若年者のインフルエンザの予防を目的として、経鼻弱毒生ワクチンが2023年に薬事承認されたと書かれています。鼻にスプレーするタイプです。
薬事承認申請時の資料によると、発症予防効果は28.8%とされています。注射が苦手な子にとっては選択肢のひとつですが、対象年齢や受けられる医療機関、費用は注射タイプと異なります。取り扱っているかどうかも医療機関次第なので、気になる方はかかりつけに確認してみてください。
受けるかどうかは、体質や持病、家族の状況によって判断が変わります。かかりつけの医師と相談して決めてください。この記事は、判断のための材料として費用の仕組みを整理したものです。
正直に書きます。我が家は今、受けていません
ここまで費用と段取りの話をしてきましたが、我が家の現状も書いておきます。今は家族の誰も、インフルエンザの予防接種を受けていません。
職場の補助があったころは、毎年受けていた
私は以前の職場で補助があり、自己負担ゼロで毎年受けていました。案内が回ってきて、勤務のあいだに接種して終わり。手間もお金もかからないので、受けない理由がありませんでした。
転職してからは、その仕組みがなくなりました。医療職だから全員が必ず受けている、と思われがちですが、実際は職場や年によって扱いに差があります。制度がなくなると、こんなにも足が止まるのかと自分でも驚きました。
子どもは卵アレルギーの可能性があって、見送った
子どもについては、事情がありました。1歳ごろまで卵アレルギーの可能性を指摘されていたので、そのあいだは接種を見送っていたのです。
これは自己判断ではなく、厚生労働省の「接種に注意が必要な方」にも、こう挙げられている項目です。
本剤の成分または鶏卵、鶏肉、その他鶏由来のものに対してアレルギーを呈するおそれのある方
厚生労働省「インフルエンザワクチン(季節性)」接種に注意が必要な方
該当する場合は「受けられない」ではなく「あらかじめ医師に相談してください」という位置づけです。当時の我が家は、まだ様子を見る段階でした。
今は卵も食べられる。止めているのは「2回」のハードル
その後、子どもは卵も普通に食べられるようになりました。つまり当時の理由は、もうありません。
それでも受けていないのは、13歳未満は2回打つ=2回病院に連れて行かないといけないからです。夫婦とも交代勤務で、平日の診療時間に子どもを連れて行ける日を2回分そろえるのが、想像以上に大変でした。気づいたら12月になっている、を毎年繰り返しています。
この記事で「10月に動かないと間に合わない」と何度も書いたのは、まさに自分がそこで毎年つまずいているからです。費用の問題より、段取りの問題でした。

受ける・受けないは各家庭の判断です。私が言いたいのは「なんとなく毎年決めそこねている」なら、9月に一度調べてみると決めやすくなる、ということだけです。
アレルギーや持病がある場合は、必ずかかりつけの医師に相談してください。我が家のように時期が来たら状況が変わっていることもあります。
控除にならないけれど、別の制度の「入り口」にはなる
最後に、知っておくと得をする話をひとつ。
予防接種の費用そのものは医療費控除になりません。ところが国税庁の資料を読むと、インフルエンザの予防接種を受けたという事実が、別の制度の適用要件になっていることが分かります。
セルフメディケーション税制の「一定の取組」に入っている
セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)は、健康の保持増進および疾病の予防への取組として「一定の取組」を行っている人が使える制度です。その「一定の取組」の3番目に、こう書かれています。
3 予防接種<定期予防接種、インフルエンザワクチンの予防接種>
国税庁「No.1129 セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)」
つまり、インフルエンザの予防接種を受けていれば、この制度を使う資格を満たせるということです。健康診断や勤務先の定期健康診断でも同じ扱いになります。
制度の中身はこうです。
- ドラッグストアで買えるスイッチOTC医薬品などの購入費が対象
- 年間の購入額から12,000円を差し引いた金額(最高88,000円)が所得控除に
- 通常の医療費控除との選択適用(両方は使えない)
- 申告する本人が「一定の取組」をしていることが必要
- 期間は平成29年1月1日から令和8年(2026年)12月31日までとされています
注意点として、予防接種や人間ドックにかかった費用そのものは、この制度の控除対象にはなりません(あくまで資格を満たすための取組)。ここは混同しやすいところです。
家族の薬代がそれなりにかかっている家庭は、予防接種の領収書と、薬局のレシートを1年分まとめておくだけで選択肢が増えます。捨てる前に、ちょっと考えてみてください。
まとめ:9月にやっておくのは「調べる」だけ
- お住まいの市区町村に独自の助成があるかを調べる(高齢者以外にもある場合がある)
- 会社員なら健康保険組合の補助も確認する
- 13歳未満の子がいるなら2回分の予定を先に押さえる(10月スタート)
- 領収書は捨てない(セルフメディケーション税制の資格を満たす証明になる)
予防接種は、打つ・打たないの前に「いくらかかるのか」「助成があるのか」を知らないまま毎年なんとなく決めているご家庭が多いと思います。私もそうでした。
9月のうちにやることは、調べることだけ。それだけで、冬の出費の見通しが立ちます。
参考にした資料(すべて公的機関)
- 厚生労働省「インフルエンザワクチン(季節性)」(Q&A 2025年12月19日版)
- 国税庁「No.1122 医療費控除の対象となる医療費」
- 国税庁「No.1129 セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)」
※本記事は2026年8月時点の公的機関の情報をもとに整理したものです。接種の可否や回数、接種間隔の判断は医師によって異なります。助成の有無・金額・対象は市区町村ごとに違い、年度によって変わります。実際のご確認は、お住まいの市区町村と医療機関にお願いします。





